【3分で読める!SDGs】目標6 安全な水とトイレを世界中に【日本・世界の取り組み】

世界の諸問題
SDGsうさたん
SDGsうさたん

SDGsってよく聞くようになったけど、よくわからない。学校や会社で恥ずかしくないように概要をざっくり知っておきたい。」というお悩みを解決するぞ。

今回は目標6「安全な水とトイレを世界中に」の解説!

SDGsとは、人間のため・地球のため・繁栄のための開発目標です。

「誰ひとり取り残さない」を理念に、17の目標を掲げています。

SDGsって?そもそも社会問題ってなんなの?という人はまず「【SDGs】世界にはどんな問題があるのか【目標1,7,14,16,17についてわかりやすく解説】」の記事からどうぞ。

「目標6 安全な水とトイレを世界中に」とは

【SDGs】目標6のポイントは4つ!

  • すべての人へ安全な飲料水や衛生的な水を普及させる
  • 汚水の排出を減らし綺麗な水を取り戻す
  • 水不足をなくす
  • 国を超えて協力し、水資源を管理する

国連によると、2000年から2020年までの間に20億人が安全な飲料水を手に入れ、24億人が衛生サービスを利用できるようになりました

しかし、世界では安全な飲料水を手に入れることが難しい人々や、綺麗で安全に使えるトイレがない環境に住む人々がいまだ数多くいます。

目標6では、世界中の人が安全な飲料水や衛生設備(トイレなど)を手に入れることを目指すことをはじめ、持続的な水資源の確保に向けた内容が触れられています。

安全な水が使えないだけではなく、水そのものが足りない「水不足」が起こっているのです。水不足は世界人口の増加や地球温暖化などによる気候変動が要因です。

水が足りないと安全な飲料水が行き渡らないだけでなく、農業にも大きな影響を及ぼします。食料を輸入に頼っている日本。もし外国の生産量が落ち、輸入ができなくなってしまったらたちどころに食糧不足におちいるでしょう。

また、世界各地で水をめぐった紛争も起きています。インダス川やナイル川、コロラド川などで水資源の配分や所有権などで争いが起きているのです。

上記の理由から、目標6は安全な水とトイレを世界中に普及させるだけにとどまらず、国家や地域間を超えた協力、汚水排出の問題、水不足の解消など、次世代に綺麗な水資源を確保するための取り組みを目指す内容となっています。

(出典:国連「Ensure availability and sustainable management of water and sanitation for all」

(出典:国連統計部「Ensure availability and sustainable management of water and sanitation for all」

(出典:国土交通省「水資源問題の原因」

詳しいターゲット内容

国連HPを元に作成

飲み水やトイレの衛生環境 世界の現状は?

安全な水やトイレにアクセスできない人や地域

2020年時点、世界で安全な飲料水を手に入れることができない人々は3.9人に1人

数にすると20億人にものぼります。

  • 糞便によって汚染された飲料水を18億人が利用
  • 世界で40%の人々が水不足の影響を受け、さらに増えると予測される
  • 人間の活動によって排出された水の80%は未処理で川や海に流されている

※2019年時点での数値

水に関する事実は、日本で生まれ育つと実感がわかないかも知れません。

上の表から水をめぐる世界の状況を見ていきましょう。

安全な飲料水を利用できる人の割合は2000年の61%から2017年に71%へ増加しています。基本的な飲料水についての割合は、2000年の81%から2017年の90%へ増えています。

トイレなど安全な衛生設備を利用できる人の数は2000年の28%から2017年には45%に増加しました。

しかし、まだまだ安全な水や衛生設備が「全員に行き渡っている」とは言えない状況です。

2020年時点で安全な飲料水が利用できない人は20億人います。安全な衛生設備を利用できない人は36億人です。

衛生施設が不足していることで影響を受けやすいのは女性や子どもなど弱者です。

不衛生のため幼くして命を失ってしまう子どもが多いことや、女性や子どもが水くみのため遠方に行く時間と手間がかかってしまうのです。日本でも高度経済成長期に水道や下水が整備されたことにより感染症が大きく減少した歴史があります。

生活排水、工業排水など人間の活動に関わるすべての排水をクリーンにし、地球環境を守ることで、人間が地球に生きるものの一員として、持続可能な水の利用サイクルをつくることができるのです。

(出典:国連広報センター「安全な水とトイレの普及はなぜ大切か」)

(出典:JICA「命、教育、経済までも左右する「水の問題」」

【SDGs目標6安全な水とトイレを世界中に】日本・世界の取り組み

安全な飲料水とトイレ設備の実現のため、国内外で行われている取り組みを見ていきましょう。

日本の取り組み

日本国内の取り組みからは、東大発のベンチャー企業「WOTA」をご紹介します。

こちらの写真は置き型手洗い機「WOSH」(ウォッシュ)。

WOSHの特にスゴイ点は2つあります。

  • 水道が不要で好きな場所に設置可能
  • 20ℓの水を循環し500回手洗いができる超節水型

手洗い設備と水道管は切っても切り離すことのできない存在、そんな今までの常識がガラッと変わる画期的なシステムです。

日本でも地方の過疎化や人口減少が進む現代、定期的にメンテナンスが必要な水道設備の費用が問題となっています。

水を大切にするのはもちろんのこと、日本の水道設備が抱える財政的な問題にも大きく貢献することを期待したいですね。

WOTAでは持ち運び式の浄水システムを利用し、災害時の避難所で水道設備の不要なシャワーを展開。100リットルの水で約100回分のシャワーが可能。100リットルは1人分の浴槽の約1/2なので、とても少量の水であることがわかります。

今までに熊本地震、北海道胆振東部地震、千葉県の台風被害などさまざまな場面で重宝されました。

日本の技術で新しいイノベーションが起こっていることはとても嬉しいですね!応援していきたい企業のひとつです。

(出典:WOTA公式サイト

(出典:WOTA「WOTAがポータブル水再生プラント「WOTA BOX」国内販売代理店の募集を開始。2023年までに日本全国1万台の導入を目指す」

(出典:ソフトバンクと資本提携した東大ベンチャー「WOTA」とは? “水循環型”超節水技術に強み

(出典:水道料金の「減免」広がる中、値上げする自治体が出る深刻事情 全国で叫ばれる老朽管問題

世界の取り組み

目標6「安全な水とトイレを世界中に」のターゲットには「水や衛生分野の活動において、開発途上国への国際協力を拡大させる」と記載されています。

イギリスで設立されたNPO「ウォーターエイド」は、約40年にわたり水や衛生に特化して活動してきました。食べ物は洗ってから食べる、石けんで手を洗うといった衛生習慣を世界に広める活動などを行っています。

【安全な水】40.2万人の家庭/18.2万人の学生/101.2万人の保険医療施設

【衛生的なトイレ】70万人の世帯/21.2万人の学生/131.5万人の保険医療施設

【正しい衛生習慣】191万人の世帯/45.6万人の学生/130.9万人の保険医療施設

※2019年度のウォーターエイド実績

新型コロナウイルスが流行している現在、ウイルスを体に入れないために手洗いなどの衛生習慣が重要です。

全ての人に「手洗いに石けんを使用する」習慣が広まれば、たくさんの命を救うことができるでしょう。

(出典:WaterAid【支援の現場から】新型コロナウイルス感染症対策として、衛生に関する行動を変える 「Annual Report 2019.04-2020.03」

(出典:ユニセフ「ユニセフと手洗い」

【CLEAN WATER AND SANITATION】もし世界中の人が安全な水とトイレを使えたら

世界中に安全な飲料水が広まれば、1日約1000人の子どもの命が助かります。

もしすべての人へ安全なトイレがいきわたったら、24億人の人々が綺麗なトイレを使えるようになり、用を足すために夜間に野外に出ていた女の子や女性に、危険が及ぶことはなくなるでしょう。

人間の活動によって川や海に流される排水がきれいになれば、多種多様な生き物が水辺に戻ってきます。

命の源である水を安全にみんなが使える未来を願って。

(出典:国連「Goal 6: Ensure access to water and sanitation for all」

(参照:ウォーターエイド「安全なトイレはどこに」

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