「SDGsってよく聞くようになったけど、よくわからない。学校や会社で恥ずかしくないように概要をざっくり知っておきたい。」というお悩みを解決するぞ。
今回は目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の解説!
SDGsとは、人間のため・地球のため・繁栄のための開発目標です。
「誰ひとり取り残さない」を理念に、17の目標を掲げています。
SDGsって?そもそも社会問題ってなんなの?という人はまず「【SDGs】世界にはどんな問題があるのか【目標1,7,14,16,17についてわかりやすく解説】」の記事からどうぞ。
「目標5ジェンダー平等を実現しよう」とは
目標5のポイントは5つ!
- 全ての女性へ差別、暴力をなくそう
- 児童婚や強制的な結婚、女性器切除などの悪影響のある習慣をなくそう
- 無報酬の家事労働を知り、きちんと評価する
- あらゆる場面での女性の参加やリーダーになる平等な機会を確保しよう
- 上の4つのポイント達成のため女性の経済的資源の確保や、健康(性や生殖に関する)、ジェンダー平等の促進、能力強化のためのルール導入が必要
世界中では女性への差別、暴力や結婚などに関する古くからの価値観による問題があり、解決が求められています。
SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」では、周りから見えづらく評価されづらい無報酬の家事労働を、きちんと認識し、評価していこうという点や女性のリーダーシップについても触れられています。
ジェンダー平等の実現のためには、差別の撤廃、性の健康の促進、女性の経済力向上(そのための能力開発)などを進めるためのルールが必要になってきます。
詳しいターゲット内容
国連HPを元に作成
SDGsでジェンダー平等が求められている背景
世界にあるジェンダー差別
ジェンダー平等を憲法で保証している国は2014年時点で143ヶ国あります。一方で52ヶ国ではまだ保証されていません。
世界にはどのようなジェンダー差別があるのでしょうか。
- 2019年の時点で女性の管理職比率は3分の1以下。
- 女児の児童婚は全世界で毎年約 1,200 万人、1日当たり約33,000人。児童婚は小学校の就学率を下げる要因にもなっています。
- 世界の35%の女性(15歳から49歳)がパートナーなどから暴力・性暴力を受けています。
- 2020年だけでも410万人が女性器切除(FGM)のリスクにさらされていた。
「差別」と一言で言っても、古くから行われてきた「慣習」であったりすることが多く、男女ともにそれらを「差別」と考えていない場合もあります。古くからの慣習を上から「悪習」と決めつけやめさせることは簡単かもしれません。
しかし、SDGsはあくまで国連で考えた世界の目標にすぎません。それぞれの地域にあったやり方で、どんなジェンダーの人も幸せであるように、考え、乗り越えていく必要があります。
ジェンダー差別をなくすために
世界で起こっているジェンダーをめぐる問題についての概要は理解できたでしょうか?
ここからは、問題解決のためにどのようなことが行われているのか見ていきましょう。
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」のターゲット5.3には「世界から児童婚を撲滅させる」ことが掲げられています。そこで、ユニセフとUNFPA(国連人口基金)は共同で「児童婚を終わらせよう-行動促進のためのグローバル・プログラム」を行なっています。
2016年から始まったこのプログラムのおかげで、2020年までに10代の女の子770万人以上、地域の人々420万人以上に情報・スキル・サービスが提供されました。
また、取り組みの次の段階として、教育や保健へのアクセス向上や児童婚の危険性の啓発、ジェンダー平等の推進などをさらに重点的に行っています。
(出典:国連広報センター「目標5 ジェンダー平等を実現することはなぜ大切か」)
(出典:ユニセフ「児童婚撲滅を目指して 行動促進のためのプログラム継続」)
(出典:ILO「ILO新刊-女性リーダーの存在は企業成績の向上をもたらす」)
(出典:プラン・インターナショナル・ジャパン「女性性器切除(FGM)ゼロへの挑戦~スーダン」)
【SDGs目標5ジェンダー平等を実現しよう】日本・世界の取り組み
最近CSR(企業の社会的責任)などが重要視されてきていますが、「ジェンダー平等の実現」についてもさまざまな取り組みが行われています。日本や世界の企業がどのような取り組みをしているのかみてみましょう。
日本の取り組み
日本は戦後の復興から高度経済成長期、バブル期にかけて「男は仕事、女は家庭」「男はリーダー、女はサポート」という男性中心の社会で、男女での役割を分担していました。しかし、少子化にともない男性だけが仕事をしているだけでは社会が成り立たなくなっています。
男性女性それぞれが性によって役割を押し付けられ、やりたいことができない、機会の損失、人権の侵害などの問題もありますが、働き手として女性が今社会に求められているのです。
また、このまま少子化が進んでいってしまえば、さらに労働人口が減っていきます。「出産・育児と仕事の両立」「女性の活躍」は、男女関係なく日本全体の問題でもあるのです。
女性活躍に向けて、株式会社Woomaxは企業・学校向けに研修やコンサルティングを行っています。
Woomaxは「女性活躍推進」「女性活用」という言葉が死語になり、働く人誰もがイキイキと目的に向かって成長していく組織づくりをミッションとしています。ここではさまざま研修の中からいくつかご紹介します。
女性リーダー育成支援
この研修は企業の女性管理職を育成するために以下の目的を持って実施されます。
- 自社に必要な女性活用方法が明確になる
- 女性リーダー育成の具体的手法が習得できる
- 多様性を認め、伸ばす育成方法によって、高い成果を実現する
研修の中に「男女それぞれの特徴を生かし合う」という項目があり、まさにこれからの時代に必要とされている考え方だと感じました。
女性部下マネジメント
女性部下の主体的なキャリアデザインを引き出すための研修。
まず女性活躍を自分事としてとらえる内容から、女性部下の特性を理解し、能力を最大限に引き出すためのアイデアが散りばめられたものになっています。女性の部下がいる上司の方にぴったりの内容です。
2012年設立のまだ新しい企業ですが、今後も女性の活躍へ大きく貢献し、これからの時代のスタンダードをつくっていって欲しいですね。
(出典:NHK「「男性にとってのジェンダー平等とは」(視点・論点)」)
世界の取り組み
世界の取り組みからは、台湾のProject UNI-FORMを紹介します。
2020年秋に開催されたファッションウィークで注目を浴びたこのプロジェクト。まるでドラマに出てきそうな青や白を基調とした学校制服が目を引きます。
普通の制服と違う点は「ジェンダーフリー」な制服という点で、男子はズボン・女子はスカートという今までの固定概念から脱却し、さまざまなファッションスタイルを楽しむことができます。
「ありのままの君でいて。自分に誇りを持とう。」というメッセージを制服という形で伝えるProject UNI-FORM。
日本では当たり前のように性別ごとに分かれている制服ですが、近年では男女兼用のスラックスを取り入れたりなどジェンダー平等を意識した動きもあります。
ファッションを楽しみながら、正直に自分を表現できる制服はとても魅力的ですね!
(出典:IDEAS FOR GOOD「性も、ファッションも自分で選ぶ。台湾の“ジェンダーフリー”な制服 」)
4 【GENDER EQUALITY】もし世界でジェンダー平等が実現されたら
もし世界中でジェンダー平等が実現されたら…
30カ国で女性器切除を受けている3人に1人の少女が痛みや感染病から救われます。
18カ国の女性は夫の許可なしに自らの意志で働くことを選択できるようになります。
5人に1人の女性や少女がパートナーに身体的・性的暴力を受けず、49カ国に暴力から女性を保護する法律が整備されます。
そして政治的、経済的にも多くの女性にチャンスが平等に与えられ、自らの意志で自分の人生を切り開くことができるようになるでしょう。
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