「SDGsってよく聞くようになったけど、よくわからない。学校や会社で恥ずかしくないように概要をざっくり知っておきたい。」というお悩みを解決するぞ。
今回は目標4「質の高い教育をみんなに」の解説!
SDGsとは、人間のため・地球のため・繁栄のための開発目標です。
「誰ひとり取り残さない」を理念に、17の目標を掲げています。
SDGsって?そもそも社会問題ってなんなの?という人はまず「【SDGsにそって解説!】世界にはどんな問題があるのか」の記事からどうぞ。
【目標4 質の高い教育をみんなに】
目標4のポイントは4つ!
- 社会的弱者の人も含め全ての子どもが男女の区別なく無償で公正で質の高い教育を就学前〜中等教育(日本でいう高校)まで受けられるようにする
- 大多数の人が読み書き計算ができるようにする
- 全ての人が男女の区別なく手頃な価格で技術教育、職業教育、高等教育にアクセスできるようにする
- 働きがいのある仕事や起業ができる技能を持つ人を増やす
ポイントを噛み砕いて説明すると、ここで重要なのは「ジェンダーや社会での立ち位置など関係なく全ての人」が教育を受けられるということ。
そして、それらの教育によって人が自己実現の可能性を育める状態を作る。
さらには「働く」ことを視野に入れ今までの学びを土台に「技術や職業に関しての教育や大学などの高等教育」に皆がアクセスできるようにする。
「誰一人取り残さない」ことを掲げているSDGsの理念にのっとっている目標と言えますね。
詳しいターゲット内容
国連HPを参考に作成
教育 世界の現状
必要な教育を受けられない子どもたち
開発途上国の就学率は2015年に91%に達しています。
学校に通えない子供の数は大きく減り、識字率や女の子の就学率も改善しています。
しかし、「全ての子どもが」学校に通えているわけではありません。
2018年の時点では約5900万人(12人に1人)の子どもが小学校に通っていません。そのうち半数以上がサハラ以南のアフリカ地域の子ども達です。
アフリカのサハラ以南では、貧しい農村の女の子は23%しか初等教育(日本の小学校での教育)を終えられていません。
中学校に通っていないのは約6200万人(6人に1人)、高校に通っていないのは約1億3,800万人(3人に1人)です。
これでも、2000年と比べると中学校に約3700万人、高校には約3800万人通える子が増えています。
大きく改善している今、その歩みを止めずに「全ての子どもが」学べる環境をつくっていきたいですね。
(出典:国連開発計画(UNDP) 駐日代表事務所「目標4: 質の高い教育をみんなに」)
(出典:UN WOMEN日本事務所「目標4:すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」)
なぜ質の高い教育が必要なのか
教育はすべての礎(いしずえ)となります。
教育が受けられなければ、「文字の読み書きができない」「計算ができない」ことによって伝達手段が限られたり、危険な目にあったり、給料を低い金額で受け取っても気づかなかったりします。
衛生に関しての知識を得る機会がないと病気にかかっても気づかなかったり、対処方法がわからないかったりと命の危険さえ伴います。
市や国など自分の所属する社会からの情報を取り入れることができず社会から孤立してしまいます。
職に就くための技術や知識を学んでいないため仕事が選べず、貧困から抜け出せません。
誰一人取り残さない持続可能な社会を作るために、教育は必要不可欠な要素です。
質の高い教育が受けられない原因
ここで、もう一度ターゲットを見直してみましょう。
よくみると4.の後に数字が続いているものとアルファベットが続いているものに分かれています。数字は課題が達成した状態を表していて、アルファベットは課題達成に向けた手段を表しています。
これら「課題達成のための手段が今はまだ実現できていないこと」が質の高い教育が実現できていない原因と考えると、その手段が実現できればOKということ。
それぞれの課題達成のための手段を簡単に言い換えると…
4.a 誰もが利用できる教育施設をつくり、学習環境を提供する |
4.b 開発途上国を対象とした高等教育(日本でいう大学)の奨学金を増やす |
4.c 開発途上国の質の高い教員を増やす |
学校がない。学校に行くお金がない。先生がいない。
これらが「質の高い教育をみんなに」届けられていない大きな原因になっていることが読み取れます。
さらに、紛争地域ではまず生きること、身の安全を確保することが優先となり教育を受けられないことがままあります。
私たちは、すべての人が質の高い教育を受けられるようにするため、どうしたら学校が足りない地域に持続可能な学校をつくれるのか、どうしたら学費の問題が解決できるのか、どうしたら質の高い教育のできる先生を増やせるのか、どうしたら紛争をなくせるのか、考えていく必要があります。
【質の高い教育をみんなに】日本の取り組み・世界の取り組み
ここでは日本、世界がどのような取り組みを通して「SDG4 質の高い教育をみんなに」を実現しようとしているのかみていきましょう!
日本の取り組み
日本の国際協力機構であるJICAの取り組み「みんなの学校プロジェクト」を紹介します。
2004年にニジェールで始まったこのプロジェクトは2021年4月の時点でアフリカ8カ国・約5万3000校の小中学校で成果を上げています。
みんなの学校プロジェクトでは先生、子どもの保護者、地域住民がみんなで力を合わせて子どもの学びの改善を目指しています。先生、保護者、地域住民で「学校運営委員会」を発足し、行政と一緒に学校を運営していくのです。(詳細はこちら)
「子どもたちにより良い学習を」と地域が団結することにより、持続可能な形で質の高い教育が可能になっています。
(出典:JICA「JICAの事例紹介」「進化する「みんなの学校」プロジェクト:アフリカ8ヵ国5万3000校に拡大、学校給食や手洗い啓発にも発展」)
世界の取り組み
2018年のGlobal SDG Awardを受賞したベトナムの企業MANTA(マンタ)。
MANTAは乱獲、汚染、気候変動などの海洋問題に対してアクションを起こすために設立された企業です。
漁師が持つ海洋技術をウォータースポーツに転換することで、スポーツコーチとして新しい生計手段をつくり出し、乱獲の防止につながります。
また、ウォータースポーツの技術や気候変動についての知識をベトナムの人々に教えることで、90%が泳げないと言われているベトナムの子ども達へ貢献もしています。
(出典:MANTA Sail Training Centre)
【QUALITY EDUCATION】もし世界のすべての人に質の高い教育が届いたら
もし全ての人が質の高い教育を受けられたら…
世界の6億1700万人の少年少女が読み書き計算ができるようになり、7億5000万人の大人が文字を読めるようになり、より豊かな生活を送れるようになります。
障害のある子もない子も、どんなジェンダーの子どももみんなが学び、希望が持てるようになります。
今まで私たち人間はどんなパンデミックも自然災害も乗り越えてきました。それは、今まで培ってきた技術と知識が支えてきた歴史です。皆が教育を受け、希望とそれを実現する力を持つことのできる社会をつくりたい、そう願っています^^
コメント
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